基本的な考え方
企業行動規範
各国・地域の法律を遵守し、人権を含む各種の国際規範、文化、慣習等を尊重して事業を行います。
行動基準
人権の尊重について
- 個人の人格、多様な価値観、個性を尊重し、すべての基本的人権を尊重する。
- 事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権を尊重する。
- 事業活動を行うそれぞれの国や地域で適用される法令、規制を遵守する。
当該国における法令、規制と国際的な人権基準が異なる場合には、国際的に認められた人権を尊重する方法を追求する。 - 従業員一人一人の人権が尊重される安全で働きやすい職場環境の整備に努める。
- ハラスメントのない健康で安全な労働環境を提供し、最低賃金の確保、適正な労働時間の管理、プライバシーの保護を尊重する。
- いかなる形態の強制労働や児童労働、人身売買も認めない。
人権尊重に係る方針
人権方針
NSユナイテッド海運グループは、グローバルに事業展開する企業としてグループ企業理念を制定し、その実現にあたって「行動基準」を定めております。今般、そこに謳われている人権を尊重することが企業として果たすべき社会的責任であるとの認識の下、新たに「NSユナイテッド海運グループ人権方針(以下、本方針)」を策定しました。
本方針は、2023年1月31日に取締役会において承認されました。
NSユナイテッド海運グループ人権方針
英国現代奴隷法 声明文
当社グループは、英国法「Modern Slavery Act 2015」への対応として、当社ウェブサイト上に“Modern Slavery Statement” (奴隷及び人身取引に関する表明(仮訳))を以下の通り開示いたします。
推進体制
2023年8月より、以下の体制で、人権尊重の取り組みを推進しております。
人権デューデリジェンス推進チームの設置
関連する取締役および執行役員により、人権デューデリジェンス推進チーム(以下「推進チーム」)を設置しました。
推進チームでは、月1回を目安として、事務局による報告に基づき、人権デューデリジェンス(以下「人権DD」)の進捗の確認および進め方に関する議論を行っています。
人権DD事務局の設置
以下部門による、人権DD事務局(以下「事務局」)を設置し、人権DDの実施およびそれに関連する取り組みを推進しています。
・総務グループ:陸上職員の人事およびESG経営の推進等の担当として
・安全管理グループ:海上職員 (船員) の人事等の担当として
・鉄鋼原料グループ:営業部門の代表として
取り組みの客観性の担保
さらに、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に忠実に、人権尊重の取組みを進めるため、専門的知見を有するSDGパートナーズ社からの助言を定期的に受け、取り組みの各フェーズにおいての客観性と正当性の担保に努めています。
SDGパートナーズ実績
- 2020年度 法務省・人権擁護局
『企業に求められる「ビジネスと人権」への対応
「ビジネスと人権に関する調査研究」報告書』監修 - 2021年12月 月間法律のひろば
『2021年12月特集号:ビジネスと人権~「ビジネスと人権」に関する行動計画に
基づく取り組み~」内容執筆 - 法務省、人権教育啓発センターをはじめ、自治体や大学など公的機関および企業等での講演・研修
- 各種企業の人権アドバイザー、人権方針策定・人権DD体制構築支援
取締役会への報告
推進チームからは、定期的に内部統制・コンプライアンス委員会へ共有を行うことで、ESG総合委員会および執行役員会を経て、取締役会へ報告を行います。
2023年12月末時点 当社人権尊重の取り組みの全体像
人権デューデリジェンス
現在、当社グループの事業活動による実際のまたは潜在的な人権に対する負の影響の特定・評価に取り組んでおります。負の影響を防止または軽減するために実態を把握した上で、適切な手段を通じた是正を行ってまいります。
OECD (2018), OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct
デザイン:Peggy King Cointepas
リスクアセスメントの実施
2023年8月より、外部専門家の助言や国別人権リスクを含む国際的指標を参考に、当社グループ事業を行う上で考慮すべき人権リスクを洗い出し、影響を受ける可能性のあるステークホルダーを踏まえ、関連する事業部門と机上分析によるリスク評価を実施しました。
外航海運事業におけるバリューチェーン
およびライツホルダーの確認結果
画像をクリックタップ、拡大してご覧ください
船員の人権
2023年度内に上記結果に基づき「深刻度が高く、発生可能性も高い人権リスク」と評価された船員のうち、まずは当社日本人船員を対象に追加調査を実施予定です。
当社は船員を、当社にとって安全を支える最も重要な存在として認識し、また、当社のマテリアリティである「人材の確保・育成」の観点からも、人権を保障する国際条約の遵守に留まらず、より高みを目指し、船員のWell-beingの実現に取り組みます。
2006年の海上の労働に関する条約(MLC2006)
2006年の海上の労働に関する条約(MLC2006)第3条では、以下の基本的な権利の尊重が定められています。
(a) 結社の自由及び団体交渉権の実効的な承認
(b) あらゆる形態の強制労働の撤廃
(c) 児童労働の実効的な廃止
(d) 雇用及び職業についての差別の撤廃
当社船においても、人権の尊重、宗教・国籍・年齢・性別による差別の禁止を定めています。また、ハラスメント等のコンプライアンス違反に対しては、海技者人事チームを窓口とする社内窓口や第三者通報窓口を設置しています。
グループ全役職員対象 人権セミナーの実施
人権に関する理解を深めるために、全役職員を対象に、以下の通りセミナーを開催しました。
実施日 | 2023年8月7日(月) |
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対象者 | 乗船船員を含むグループ全役職員 |
実施方法 | Teams中継および録画による視聴 |
視聴率 | 78% |
内容 | 「いま企業に求められるビジネスと人権への対応」 1. ESG対応の本質とプラスサム資本主義 2. 人権概念の発展と「ビジネスと人権」というパラダイムシフト 3. 世界各国の取り組みと日本企業の現在地 4. 企業に求められる人権尊重への対応 |
講師 |
田瀬和夫氏
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ステークホルダーエンゲージメント
「ステークホルダー・エンゲージメントプログラム」への参加
当社は、 2023年6月1日から7月27日まで8回にわたり、 特定非営利法人経済人コー円卓会議日本委員会の主催するステークホルダーエンゲージメントプログラムに参加しました。
プログラムでは、参加企業、NGO/NPO、人権に関する学識有識者等との様々な人権課題に関する議論を通じて、「国連:ビジネスと人権に関する指導原則」で求められる人権デュー・ディリジェンス に関する理解を深め、実践の上での必要な知識を習得しております。
また、同プログラムに参加した運輸・物流企業各社とともに、UNEP FI(国連環境計画金融イニシアティブ)の人権ガイダンスツールを参考に策定した「業界毎に重要な人権課題」の見直しを行い、運輸業界における人権課題について理解を深めました。
「ビジネスと人権に関する国際会議」への参加
当社は、2023年10月17日に開催された「外部有識者とのダイアログ」および同月20日に開催された「ビジネスと人権に関する国際会議」に参加し、海外から参加した学識有識者やNGO/NPO、参加企業より共有された「ビジネスと人権」に関する世界の最新動向と見解、人権デュー・ディリジェンスに関する取り組み事例から、「ビジネスと人権」に関わるグローバルトレンドを理解しました。
今後もステークホルダーとの対話を通して、当社の取り組むべき人権課題を的確に把握していきます。
個別の人権課題への取り組み
ハラスメント防止
基本的な考え方
当社は2017年よりハラスメント防止指針を策定し、以下の取り組みによりハラスメントの防止に取り組んでいます。
ハラスメント防止指針
取り組み
- 社員意識調査アンケート・エンゲージメントサーベイの実施
- 内部統制・コンプライアンス周知月間の継続
- コンプライアンス通報窓口の制度拡充、外部通報窓口の起用
教育・研修の実施
陸上勤務員対象
- 内部統制・コンプライアンス周知月間の継続
- e-ラーニングの活用
- グループ全役職員向け 当社顧問弁護士によるハラスメント防止セミナー実施
(2022年3月実施)
船員対象
日本・ベトナムでは定期的に講師を招いてハラスメント・アンガーマネージメントの講習を開始
長時間労働の削減
国連グローバル・コンパクト
当社は国連が提唱する「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野 10原則を定める「国連グローバル・コンパクト」に賛同し、2023年3月26日付で参加しました。
日本のローカルネットワークであるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンを通じ、関連分野に対する知見を深め、当社のサステナビリティ活動(以下GCNJ)の分科会への参加や、各種セミナーの受講を通じ、当社のサステナビリティ活動に活用しております。
国連グローバル・コンパクト 4分野10原則
2023年度のGCNJの活動への参加状況
・各種分科会への参加
・サステナビリティ経営セミナーの受講