船員の能力向上

船の運航に関する知識や技術は、医療、食糧や飲料水、排水や汚物の処理システムなどの様な日常生活に関する事から、無線通信や機器、内燃機関や精密機器・油圧機器とそれらの整備、気象海象とその船体や貨物への影響、世界の地理と気候、太陽や星の動き等、知るべき事は多岐に渡り、全てを網羅する事は大変困難である一方、全てが必要不可欠な情報です。

常に必要事項を把握、情報の更新を行うことのできる体制を整えるために、以下の活動を通じて、船員の能力の維持と向上に努めています。

船員研修チームの立ち上げ

船員の能力の維持と向上に、より注力すべく、2022年4月に船員研修チームを発足させました。職位ごとの能力要件の設定とそれに沿った教育の実施、昇職時のスクリーニング内容の改善などにより、基礎能力の確保を図って行きます。

また、以下に記載する活動を通じ、弱点補強や知識技術の更新にも取り組んで行きます。

BRM+P訓練

水先人を含む船橋でのチームワークと操船は、知識と技術と精神力を必要とする高度な技能ですが、安全運航の根幹を支える基礎能力の一つでもあります。
当社では2020年の大型鉱石専用船の着岸操船時の事故を受け、再発防止策の一環として、シミュレーターによる新たな操船訓練を開始しました。

座学とシミュレーターを用いての実践的な操船訓練に加え、実際の事例から再現した離着岸作業時の危険な状況下における対応について、ベテラン水先人の指導を受けながらシミュレーションすることで、実際の乗船時の安全航行に繋げています。

水先案内人がいる状態でのBRM(Bridge Resource Management)

インハウスセミナーの実施

世の中の最新状況や現場作業に関わる最新規則、会社の活動や僚船での出来事、そこから学ぶべき事柄等は、日々の活動を通して少しずつ積みあがります。

また、それらは会社のノウハウとして蓄積すると共に、速やかに現場の船員と共有する事で、再発防止や改善に繋げていかなければなりません。
しかし、書物や周知文書などの一方的な提供だけでは、中々伝わり難いのが実情です。

従って、当社ではその様な情報について関係部署にて定期的に説明動画を作成・配信し、乗船中・休暇中の船員を含む全乗組員が視聴するインハウスセミナーを実施しています。

セミナーに対しては常に意見や感想を求め、会社からの回答をフィードバックする等、現場との会話を続けることで、船員の知識のアップデートや意識の向上も行っています。

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